京セラ、工具管理サービスを開始 在庫・調達計画を支援
京セラは切削工具の購買計画や高効率な加工法などを提案し、生産現場のコストダウンを支援するサービスを開始した。顧客に工具の使用・在庫状況などを把握できる工具棚を提供。棚を介し、顧客と在庫情報や生産情報を共有することで京セラが課題や改善案を提案する。欧米では工具メーカーによる同様のサービスが普及しつつあり、同社は国内で競合に先んじて事業化する。
サービスの利用料金は京セラが開発した電子工具棚「ツールオーガナイザー」1台の基本パッケージで、5年契約の月額4万8000円(消費税抜き)。オプションで電子工具棚や工具管理システム(TMS)を追加できる。京セラ製工具以外にも対応する。
会員専用ウェブサイトを通じ、顧客の工具の使用・在庫状況や生産情報などを共有。京セラは製造品ごとの工具費や使用マシン別工具使用量などを分析し、無駄やコストの削減につながる提案をする。自社の新製品開発や営業にもつなげる。
電子工具棚は収納したい切削工具を登録すると、その型番を入力するだけで収容場所や持ち出し履歴を確認できる。工具を探す時間や棚卸し時間の削減に加え、独ゾラ製のTMSと連携することで在庫状況や使用状況も確認できる。
電子工具棚のサイズは幅800ミリ×奥行き790ミリ×高さ1175ミリメートル。棚は各段に電子ロックが付く。
京セラの機械工具事業の2021年度(22年3月期)の売上高は前年度比30・0%増の2510億円。30年度には約2倍の5000億円を目指している。