シチズンマシナリー、自動旋盤に切りくず分断機能 主軸台固定型に展開
シチズンマシナリーは、金属切削時に発生する切りくずを分断する独自技術の搭載を、主軸台固定型自動旋盤に本格展開する。剛性や耐久性が高い「滑りガイド」の採用機種に初搭載して12月に市場投入し、順次拡大する。主軸台移動型と合わせて旋盤の構造を問わず同技術を提供できる体制を構築。生産性向上や環境負荷低減に貢献できる点を強みに拡販を狙う。
切りくず分断技術「低周波振動切削(LFV)」は、サーボ軸を切削方向に振動させ、切削中に刃物が当たらない「空振り時間」を設けることで切りくずを細かく分断する。材料や工具に切りくずが絡まず不良品を削減できるほか、切りくず容量の大幅縮小や深穴加工の効率向上を実現する。また垂直、水平の2軸ともに振動・補間して、テーパー(斜め)や円弧などさまざまな形状加工でも切りくずを分断できる。
シチズンマシナリーの自動旋盤でのLFV搭載機種は、主軸台移動型の「シンコム」、主軸台固定型の「ミヤノ」の両ブランド合わせて11機種。それらはすべて「転がりガイド」を採用した機種で、そのうち8機種がシンコム機。ミヤノ機は滑りガイドを基本採用しているため、今後、滑りガイド採用機種でもLFV対応を進めることでユーザー層の拡大につなげる。
同社は2013年にLFVの搭載機を発売し、16年にシンコムブランドの主力機種への搭載などで機種を拡充してきた。また16
年以降、欧米とアジアにも拡販してグローバルで顧客層を拡大。22年9月末にはLFV搭載機の累計出荷台数が4500台を突破し、23年3月期中には5000台に達する見通しだ。