津田駒工業、完全自動化ライン構築 作業者5分の1に削減
津田駒工業は、金沢市の本社工場にロボットセル2基と横型マシニングセンター(MC)3台で構成し、約50種類の繊維機械の部品を加工する完全自動化ラインを自社で構築した。従来7台の横型MCを使用していた工程を集約し、5人の作業者を1人に削減した。加工対象物(ワーク)や治具のストッカーを組み合わせて連続自動運転や夜間の無人化も可能。投資額は約3億円。
完全自動化ラインでは、2基のセルの片方が停止しても一方で生産を継続できる。生産スケジュール管理機により、短納期のワークを優先する柔軟な対応も可能にした。セルはワーク搬出入用と、治具をボルトで固定するナットランナー用の計2台のロボットで構成する。
一連のフローは、搬送装置がストッカーから、仕切り網を使って素材を段積みしたパレットを出入庫ステーションに運ぶ。ワークの搬出入を担当するロボットはパレットから画像認識でワークを確認し、6種類のハンドや反転台などを駆使して固定する治具のベースに置く。同時に仕切り網も専用ラックにかける。
治具も搬送装置でストッカーからセルに装備した割出台に運ぶ。割出台は90度傾きワークを平置きで固定できる。台に設置した津田駒製数値制御(NC)円テーブルの割出機能でベースの4面にワークを搭載できる。ロボットが固定を確認後、搬送装置がワークと治具をMCのパレットチェンジャーに送る。
加工後はナットランナーロボットが治具の離脱とエアブローによる洗浄を行う。ボルトで締める治具とロボットを併用するため、高額な油圧の自動治具が不要。
津田駒工業は今後、自動化提案事業「ツダコマ・ロボティック・インテグレーション(TRI)」の事例として公開する。