工作機械受注5月27%減、欧で停滞
日本工作機械工業会が発表した5月の工作機械受注額(確報値)は、前年同月比27・3%減の1085億3500万円となり、8カ月連続で減少した。米中貿易摩擦を背景に、日本、中国、北米、欧州と世界規模で市況が悪化した。欧州は28カ月ぶりに150億円を下回った。日工会の天野正義専務理事は欧州の停滞を「中国向けの輸出減に伴うものだ」と指摘。米中関係の悪化影響が欧州に広がってきた。
内需は同32・1%減の427億1000万円で6カ月連続の減少。決算期末明けの一服感がでる4月比でも1・9%減とわずかに減少した。米中摩擦を嫌った買い控えがあったほか、例年より期間が長かった大型連休の影響や、国からの設備投資補助金の判定待ちがあった。
外需は前年同月比23・8%減の658億2500万円で8カ月連続の減少。中国は同31・7%減で、3月の同44・0%減、4月の同48・7%減から改善した。絶対額は2018年10月からほぼ横ばいで推移している。欧州は対中輸出の多いドイツが同9・4%減、イタリアが同44・8%減、フランスが同39・4%減とさえない。天野専務理事は先行きについて「国際情勢の不透明感が影響しているだけに、回復時期を見通しにくい」と話すにとどめた。