牧野フライス、中・大物金型向け5軸立型MC 形状・構造部の加工両立
牧野フライス製作所は2日、中・大物金型加工向けの5軸立型マシニングセンター(MC)「D2」を発売したと発表した。従来は分割して行っていた金型上面の形状部と金型側面の構造部の加工を両立でき、加工時間の短縮などを実現する。価格は1億5000万円(消費税抜き)。年間20台の販売を目指す。
加工対象物(ワーク)の最大サイズは直径2100ミリ×高さ1700ミリメートル、最大積載重量は10トン。自動車の内外装やライト、ダイカスト部品などの自動車部品向け金型加工をターゲットにする。
剛性の高い小型ヘッド構造を採用し、同時5軸による高速加工を実現した。高剛性を維持するためのクロスレールの位置決め軸や、金型の側面全体を加工するためのテーブル回転軸を持たせており、同社初の7軸コンセプトの加工機となる。また、パレットチェンジャーなどのオプションも用意し、自動化に対応する。
電気自動車(EV)などの開発加速に伴い、自動車部品向け金型では、金型の形状変化や複雑化に対応する生産形態が今後求められる見込み。同社として「さまざまなソリューションと今回のD2投入で、金型工程の変革に挑む」方針だ。