ハマツール、切削工具増産へ設備投資積極化 来期売上高6億円台見込む
ハマツールは、動力機構部品など向けの切削工具「Tスロットカッター」を増産するため、設備投資を積極化している。約4000万円を投じて、牧野フライス精機製の高精密CNC(コンピューター数値制御)工具研削盤「MG30」を新規導入した。さらに、Tスロットカッターの刃付けなどのため、近くロウ付け機の追加導入も予定する。
ハマツールは、これら一連の設備投資などにより、2017年9月期約5億円の売上高見込みを、18年9月期には20%超引き上げて6億円台に伸ばす計画。
新規導入したMG30は、3次元データ利用や加工シミュレーション機能などにより、シャンク部分にロウ付けした超硬刃物研削加工の再現性を高められる。これまで、汎用機などを用いて分業の数工程で行っていた同加工を1台に集約可能で、従来比で2倍以上の生産性を実現できる。
このほか同機を用いて、「ドリルやエンドミルなどねじれ溝の入った工具加工が容易。また、同種で長い刃長の加工にも有効となる」見込み。
同社は、1本からの受注に応じる切削工具メーカーで、ハイス工具、超硬工具、刃先のロウ付け再生、工具再研磨などの事業を手がける。12mm径以下の小径エンドミルの場合、数百本単位で量産するが、最も得意とするのは多品種少量のオリジナル超硬工具の製作としている。
今回、MG30を導入したことにより、「比較的大口径の超硬工具の数百本単位での量産が可能になる。また、それにより手空きとなった他の汎用機などでオリジナル工具の加工を増やせる」見込み。