切削制御プログラム、自動補正技術 加工精度6倍向上 日立製作所
日立製作所は、切削加工に使う制御プログラムを加工機の個体差を考慮しながら自動で補正する技術を開発したと発表した。
補正しない場合に比べて加工精度が4―6倍向上し、熟練者と同等の品質を確保できるという。熟練者のノウハウをデータにし、開発した。少子高齢化に伴う技能継承問題を打開する技術として、2020年の実用化を目指す。
数値制御(NC)加工機向けの同様の技術は世界初という。複数の加工機に適用した検証では、すべての加工機で精度が4―6倍向上し、寸法公差50マイクロメートル(マイクロは100万分1)以下を実現した。
工具や加工機の主軸の剛性から加工誤差を予測。NCデータ上で自動補正し、加工する。誤差予測のため、熟練者が推測する工具や機械の主軸の剛性を考慮した加工誤差生成メカニズムを物理モデルにした。補正にはNCデータ、加工機の剛性、工具の形状・素材などのデータを入力しておく。
現在、東京・有明の東京ビッグサイトで開催されている「第29回設計・製造ソリューション展」で実演する。