村田機械、6インチチャック対応の平行2軸CNC旋盤
村田機械は小物の自動車部品の量産加工向けで、対応チャックサイズ6インチの平行2軸型コンピューター数値制御(CNC)旋盤をモデルチェンジし、4月に受注を始めた。すでに同8インチ以上の機種で導入済みの、刃物台を高剛性化して加工精度を高める独自構造を採用。搬送関連部分は、部材軽量化で加工サイクルタイムを同社従来品比25%短縮した。消費税抜きの本体価格は従来品同等の1290万円で、販売目標は年100台。
新製品は「MW100II」。チャックサイズ8インチ以上の機種で採用する高精度加工と、加工対象物(ワーク)の搬入出・着脱のサイクルタイムを短くする機能を、顧客の要望に応じて同6インチタイプにも用い需要を取り込む。
同6インチの同社従来品は、重量物の刃物台ユニット全体をスライドさせて加工した。新製品は、刃物を取り付ける「タレットバー」と呼ぶ部分のみスライドさせて加工する構造に変更して剛性を強化。加えて、主軸のベアリング径も大きくするなどして安定感を高め、加工精度を向上した。
ワークを搬送するガントリーローダーは、Y軸フレームの材料をアルミニウムから炭素繊維強化プラスチック(CFRP)に変えて軽量化している。この効果などでX軸、Y軸、Z軸の移動速度をそれぞれ2―6割ほど高速化。ワークの搬入出・着脱に要する加工サイクルタイムの25%短縮につなげ、顧客の生産性向上を後押しする。