切削・研削工具6社の4-9月期、全社増収を確保-自動車向け好調目立つ
切削・研削工具6社の2017年4-9月期連結決算が出そろい、全社が増収を確保した。自動車向け工具の好調が目立った。三菱マテリアルとノリタケカンパニーリミテドの工具部門と、旭ダイヤモンド工業、日進工具は営業増益。その一方、ダイジェット工業は原価率悪化が響き営業減益だった。為替は円安基調で推移し、中国を中心とする海外市場の活況が需要をけん引する。
三菱マテリアルは国内のほか欧米と東南アジアで超硬製品の需要が増加した。ノリタケは売り上げの6割を占める自動車部品加工用や、産業機械向けが堅調だった。低調な米国向けを東南アジアや中国の好調さでカバーした。
日進工具はスマートフォンや車載用電子部品を含む自動車関連向けで超硬小径エンドミルの需要が順調だった。ダイジェット工業は前年同期の為替差損から一転して為替差益が発生し、経常利益は微減にとどまった。
18年3月期の業績予想は、三菱マテリアルが超硬製品の需要増加を主要因として連結業績予想を上方修正し、日進工具と旭ダイヤモンド工業も上方修正した。ノリタケは下期も自動車部品加工用を中心に安定した需要を見込む。ダイジェット工業は中国を中心に海外の好調を維持し営業増益を目指す。
住友電気工業は主力の自動車向けに加え、航空機やエネルギー分野向けの難削材加工用新製品を拡販し増収を堅持する。