切削・研削工具6社の通期見通し、5社が減収 米中摩擦の影響長引く
切削・研削工具6社の2020年3月期連結決算は、当該部門で4社が増収予想だった期初から一転、5社が売上高予想を下方修正して減収の見通し。米中貿易摩擦に端を発する電子・半導体業界や自動車業界の不振が長引き、下期需要回復との期待が外れた。
当該部門の通期売上高予想の下方修正幅は、三菱マテリアルが15・6%減、住友電気工業が10・3%減、ノリタケカンパニーリミテドが4・7%減、旭ダイヤモンド工業が8・2%減、日進工具が7・6%減。
「世界的に自動車の需要が減っている」(住友電工社長)、「下期は当初は回復を見込んだが上期より悪い」(ノリタケ社長)と下期に悲観的だ。日進工具は開発拠点完成や自社展開催で販管費が増える。
ダイジェット工業は切削工具の新製品を日本に続き、下期に米国、欧州、中国などで投入。18年12月に本格稼働した三重県伊賀市の新工場を生かし「耐摩耗工具を拡販する」(ダイジェット社長)。
19年4―9月期連結決算は6社すべてが減収で、部門別の営業利益を公表する全5社が減益。三菱マテは超硬製品のアジアでの販売が減少した。旭ダイヤは電子・半導体向けなどが落ち込み、営業利益が8500万円だった。