日系6社の6月中国新車販売、全社マイナス 半導体不足・減産響く
中国の新車販売が減速している。日系自動車メーカー6社の6月の中国新車販売台数は全社が前年割れとなり、6社合計の新車販売は前年同月比12%減の約42万台だった。5月の同6・9%減に続き、2カ月連続でマイナスとなった。
中国汽車工業協会によると中国市場全体の6月の新車販売も2カ月連続で減少した。日系車メーカー幹部は半導体不足に伴う減産が主な要因で「足元の車需要は引き続き堅調」と話す。
日系各社の6月の中国新車販売は、トヨタ自動車が同2・9%減の約17万台と、15カ月ぶりに前年実績を下回った。6月はセダン「アバロン」の生産を中国国内の工場間で移管したほか、「部品調達難もあり増産で巻き返せなかった」。
そのため同車種では在庫不足の影響で販売が同約6割減と大幅に減少し、全体を押し下げた。
その他の日系各社も半導体不足の影響などにより、ホンダが同17・0%減、日産自動車が同16・3%減といずれも2ケタを超えるマイナスとなった。
同工業会によると6月の中国全体の新車販売は同12・4%減の約202万台だった。20年6月はコロナ禍からの回復需要を取り込み同11・6%増と大幅に伸ばした。前年との比較では低迷するが、コロナ禍前の19年6月との比較では2%減にとどまっており、車メーカー幹部は「購買意欲に陰りは見えない」との見方を示す。
1―6月期では日系6社合計の中国新車販売は前年同期比24%増の約260万台だった。マツダと三菱自動車を除く4社が前年実績を上回り、トヨタ、ホンダ、日産の3社は2ケタ増となった。
同工業協会によると1―6月期の中国全体の新車販売は同25・6%増の1289万台だった。特に新エネルギー車(NEV)は19年の水準に達し、うち電気自動車(EV)は100万台を超えた。米コンサルタント会社のアリックスパートナーズは21年の中国新車販売台数を前年比7%増の2540万台に回復すると予測している。