工作機械、強まる減速感 7社の昨年度受注6.7%増どまり
日刊工業新聞社がまとめた工作機械主要7社の2018年度の工作機械受注高は、前年度比6・7%増の5072億3700万円だった。18年暦年は前年比18・8%増であり、年明けからの減速感が色濃い。一方、3月単月は前年同月比22・9%減の383億2100万円と国内を中心に落ち込んだ。
18年度は牧野フライス製作所、オークマ、ツガミが全体と輸出の過去最高を記録した。米中貿易摩擦のマイナス影響が出始めた秋口まで、日本、米国、中国で自動車や航空機分野などの旺盛な需要を刈り取った。
年度半ばまでの“貯金”が大きいために、年度がプラスに終わったとの印象もある。18年12月以降、各社の減少が目立つようになり、3月は、牧野フライスが24カ月ぶりに減少に転じた。
3月は期末効果で前月より受注が増える傾向にあるが、オークマの国内は前月比9・1%減だった。2月の販促キャンペーンの反動減だが、「好調時であれば販促施策の翌月も上乗せの結果になる」(オークママーケティング室)と停滞感が漂う。
今後の動向は「底割れはないだろう」(同)との見方が多い。中国に強いツガミは、3月の外需を前年同月比2・7%増の50億6800万円に伸ばし、「春節以降も悪くなく、比較的底堅い」(IR・広報課)との感触を持つ。
ジェイテクトは19年度を「18年度並みか少し下目になる」(広報部)と見通している。