6月の工作機械受注、9.7%増 アジア4割増、全体押し上げ
日本工作機械工業会(日工会)が発表した6月の工作機械受注実績(確報値)は、前年同月比9・7%増の1338億1600万円と、2カ月連続で増加した。
補助金効果などが見られた中国を中心に、アジアが同41・1%増と18カ月ぶりに450億円を超え、全体を押し上げた。地域や業種で状況に差はあるが、「本格的な増加局面に向け、月を追うごとに地合いが整いつつある」と述べた。
地域別の受注額は、中国が同66・0%増と3カ月連続で増加し、15カ月ぶりに300億円を超えた。業種別では、裾野が広い一般機械向けが同67・2%増の133億円、自動車向けが同38・4%増の87億円、電気・精密向けが同50・8%増の53億円だった。
日工会では中国政府による設備更新や消費財の買い替え促進策の効果が大きく、自動車関連の継続的な投資や、次世代スマートフォン関連の投資の増加も寄与していると推察。稲葉会長は「いずれも当面好調が続く」との見方を示した。
インドは同16・4%増と8カ月連続で40億円を超え、タイは同44・2%増と10カ月ぶりに25億円を上回った。稲葉会長は中国以外のアジアは「中国との連動、または自立的な動きで受注が上向くと見ている」とした。
内需は同0・1%減と22カ月連続で減少したが、3カ月ぶりに400億円を超えた。完成車でまとまった受注があった自動車向けが3カ月ぶりに90億円を超えたほか、半導体製造装置や金型向けなどで幅広く受注した。
1―6月期の受注総額は前年同期比3・7%減の7400億6600万円だった。うち中国は同3・4%増と急回復し、停滞感が続く他の主要市場を補った。受注総額は2023年下期(23年7―12月期)と比べると3・1%増加した。
日工会は24年の工作機械の年間受注額を前年比0・9%増の1兆5000億円と予想している。
稲葉会長は6月までの受注状況について「決して悪いとは考えてない。1兆5000億円は何とか頑張りたい」との考えを示した。