日本精工、慣らし7割減・高信頼の軸受開発 工作機械スピンドル向け
日本精工は、工作機械のスピンドル向けに「高信頼性単列円筒ころ軸受技術」を開発したと発表した。
グリース潤滑での慣らし運転時間を一般的な「外輪案内方式」の軸受に比べ、最大約7割短縮できる。スピンドルの組み立てや慣らし運転など作業負荷低減と信頼性確保を両立する。2021年度以降の早期量産を目指す。
マシニングセンター(MC)のスピンドルは円筒ころ軸受が使われている。同軸受は保持器が外輪側にある外輪案内方式と、ころ側にある「ころ案内方式」の2種類がある。外輪案内方式は耐久性が高い一方、組み立て時のグリース慣らし時間が長く、オイルが異常昇温しやすい。ころ案内方式は同慣らし時間が短いが、耐久性は低い。従来は保持器の破損を防ぐ観点から外輪案内方式が一般的だった。
同社はころ案内方式を改良。保持器の破損を防ぐため、保持器の形状や材料を最適化した。余剰なグリースの排出性を向上し、慣らし時間を短縮する。工作機械を使用しながらオイルを供給する「オイルエア潤滑」でも余剰な潤滑油を排出し、異常昇温を防ぐ。