7―9月期の機械受注、0.1%減 5期連続マイナス
内閣府が発表した2020年7―9月期の機械受注統計によると、民間設備投資の先行指標となる「船舶・電力を除く民需」の受注額は季節調整値で2兆2231億円と前期(4―6月)比0・1%減り、5四半期連続で前期を下回った。機械メーカー各社の予想では、10―12月期の受注額も前期を下回り、データを比較できる05年4月以降で最長だった08年4―6月期からの6四半期連続マイナスに並ぶ見通し。米中貿易摩擦やコロナ禍の影響の深刻さが鮮明になった。
7―9月期の落ち込みは金融・保険業向けの電子計算機類や通信機、卸・小売業向けの電子計算機類や運搬機械などの減少が主な要因。製造業からの受注が同3・0%増えたのに対し、非製造業(船舶・電力を除く)は同2・5%減った。
9月単月の受注額は船舶・電力を除く民需で7193億円と前月比4・4%減り、3カ月ぶりの前月割れとなった。「その他輸送用機械」製造業や石油・石炭製品製造業、「その他非製造業」、情報サービス業などからの受注が不調だった。
内閣府は過去2カ月がプラスだったことも踏まえ、機械受注の足元の状況について「下げ止まりつつある」との基調判断を維持した。
一方、内閣府が機械メーカー各社の予想を聞いて集計した10―12月期の見通しは、船舶・電力を除く民需の受注額で2兆1802億円と、前期を1・9%下回った。緊急事態宣言が出た4―6月期の前期比12・9%減と比べて減少率は縮小する見込みだが、コロナ禍に伴う企業収益の悪化や景気の先行き不透明感を背景に、民間設備投資は当面、低調に推移しそうだ。