小型工作機械、回復続く 7―9月受注97%増
日本精密機械工業会(日精工)がまとめた2021年7―9月期の小型工作機械受注実績は、前年同期比97・1%増の388億3307万円で、4四半期連続の増加となった。中国や欧米など国内外で需要が拡大しており、回復傾向が続いている。
機種別の受注額は、数値制御(NC)小型旋盤が前年同期比2・0倍の222億1923万円、NC小型研削盤が同2・9倍の24億7136万円、NC小型フライス盤が同95・2%増の11億8635万円と、それぞれ大きく増加した。小型マシニングセンター(MC)は同12・0%増の16億7251万円だった。また、非NC小型工作機械も全機種合計で、同75・3%増の18億7650万円と高い水準を示した。
輸出総額は同84・4%増の249億4205万円だった。輸出比率は同4・5ポイント減の64・2%。海外市場は引き続き好調に推移しており、輸出比率の低下は国内需要も順調に回復が進んだことが反映されたもようだ。
今後も、国内外で電気自動車(EV)や半導体、医療関連などを中心に需要が堅調に推移するとみられる。一方、部品不足によって納期が長引き始めている。中国経済の先行きも不透明感が漂い始めており、各社の受注活動への影響が懸念される。