工作機械7社、1―6月受注38%増 7月以降も高水準の見方
日刊工業新聞社がまとめた1―6月の工作機械主要7社の受注実績は、前年同期比38・1%増の2669億9400万円だった。国内が同53・6%増、輸出が同30・4%増。半導体製造装置を中心に、自動車や一般機械、医療機器向けなど幅広い業種で設備投資の活況が続いた。物価高や金利上昇による景気後退リスクはあるものの、業界では7月以降も受注環境は当面高水準で推移するとの見方が強い。
全社が国内、輸出、総額の全項目で増加となった。牧野フライス製作所とツガミは総額が1―6月として4年ぶりに過去最高を更新したほか、オークマも輸出が1―6月として過去最高となった。
輸出では、最大市場の中国で電気自動車(EV)を含む自動車関連や電気・電子機器向けなどで旺盛な需要が持続。米国でも半導体製造装置をはじめ、自動車や医療機器向けなどが好調だった。
オークマは足元で製造業の自動化、省力化投資が活発なほか、けん引役の半導体製造装置向けの需要も根強いことから、7月以降について「急激な落ち込みはない」と見通す。
6月単月の7社の受注総額は、前年同月比21・7%増の466億500万円で、19カ月連続の増加となった。400億円を上回るのは5カ月連続で、高水準を維持している。
牧野フライスは、中国と米国を中心に好調で、総額がすべての月を通じて過去3番目の実績となった。
日本電産マシンツールは、国内で産業機械向けに門型機械を多く受注したことで大幅増加となった。米国でも自動車向けに歯車機械の大口受注を獲得するなど、「国内外で市場が動き始めてきた印象だ」。
中国市場は以前よりも若干調整気味の状況ではあるものの、まだ高い水準が続いている。ツガミは3カ月連続で減少したが、年間を通じて1000億円を上回るペースを持続しており「悪くない数字」と捉える。