工作機械7社、1―6月受注42%減 足元は一部で回復
日刊工業新聞社がまとめた1―6月の工作機械主要7社の受注実績は、前年同期比42・8%減の1193億8500万円だった。米中貿易摩擦や自動車産業の低迷で需要が減退していたところに、1月以降の新型コロナウイルス感染拡大の影響が重なり、全社が国内、海外ともに前年割れとなった。ただ、中国市場の回復や国内外での営業活動再開を理由に、6月単月では前月比で増加に転じた企業も多く、今後の受注環境の好転が期待される。
オークマの6月は前月比10・4%増。特に国内が半導体製造装置向けなど中・大型加工機の大型案件を受注したことで同36・4%増となった。牧野フライス製作所も、中国での自動車関連や金型向けに受注が増え、全体で同5・3%増となった。ジェイテクト(前月比4・3%増)やツガミ(同10・1%増)なども増加となった。
1―6月で見ると、海外需要の落ち込みが国内と比べて大きかった。特に欧米は、自動車や航空機産業の低迷などから厳しい状況が続いている。ジェイテクトの広報担当者は、北米市場について「自動車が戻りつつあるが、州間の移動規制などはしばらく続くとみられ、回復に時間を要する」と見る。
一方、中国市場は回復傾向が続く。三菱重工工作機械は6月に中国向け受注が増えたほか、足元でも大型案件の商談が出てきているという。牧野フライス製作所は「6月の受注が、前年度の4―6月期の平均並みに戻ってきている」と話す。
7社の6月単月の受注実績は前年同月比44・5%減の173億4000万円となり、19カ月連続で前年実績を下回った。今後も中国を中心に市況回復が期待されるが、大手メーカー幹部は「欧米の長期休暇が終わる9月ころから、どう動くかがポイントでは」と見る。