主要7社の工作機械10月受注2%減少
日刊工業新聞社がまとめた10月の工作機械主要7社の受注実績は、前年同月比2・0%減の233億3600万円だった。23カ月連続の前年割れとなったが、減少幅は2020年の中で初めて1ケタ台に縮小した。期末で受注が高まる傾向にある9月と比べても2・4%の減少にとどまり、受注水準は依然低いながらも回復傾向は強まっている。
芝浦機械、ツガミ、三菱重工工作機械の3社は、前年同月比で2カ月連続の増加となった。三菱重工工機は、国内の自動車向け歯車機械の受注や中国向け受注の増加により、国内、輸出ともに2ケタの増加となった。ツガミも、中国で自動車部品や半導体など幅広い業種から受注した。芝浦機械は、国内受注が産業機械向け需要を取り込んだことで大幅に増加した。
オークマとOKKは輸出が前年同月比増加。オークマは「中国向けがほぼ前年並みで、米国は前年同月を上回った」(マーケティング室)という。
牧野フライス製作所は前年同月の実績には及ばなかったものの、前月比では国内、輸出ともに増加。中国で自動車部品や電機・電子関連向けに受注が伸びた。同社の7―9月は毎月20億円台の受注にとどまっており、その水準からはいったん脱した形だが、「まだ予断を許さない状況は変わらない」(業務部)と慎重な見方を示す。
ジェイテクトは国内が前月比増加となったが、「厳しい状況が続く」(経営企画部)とみている。