工作機械7社、10月53%増 輸出8カ月連続200億円超
日刊工業新聞社がまとめた10月の工作機械主要7社の受注実績は、前年同月比53・3%増の357億6800万円で、11カ月連続の増加となった。これまでに比べて伸び率は下がってきたものの、国内、海外とも良好な受注環境が持続。11月以降についても「高い水準で推移するだろう」(オークママーケティング室)との期待もある。
国内は前年同月比43・7%増の139億5400万円だった。牧野フライス製作所の国内受注は半導体製造装置や自動車向けのほか、航空機向けも受注した。オークマは半導体製造装置や建設機械などに加え、「自動車にも動きが出てきた」(マーケティング室)。新型コロナウイルス感染症の緊急事態宣言解除に伴って今後の需要回復の加速に期待する声も上がる。OKKは「地域間移動も緩和され、受注環境は良くなる」(管理本部)と見込む。
輸出は同60・1%増の218億1400万円で、8カ月連続の200億円超え。ジェイテクトは、北米や欧州を中心に全地域での自動車・自動車部品関連でスポット受注があった。芝浦機械は、中国で半導体や風力発電向けに横中ぐり盤などの受注が増えたほか、米国とインドでも立旋盤などを受注。ツガミは強みの中国で幅広い業種で受注が拡大。「勢いは落ち着いてきてはいるが、順調に推移している」(同社幹部)という。
今後も好況が見込まれる一方、部品不足による機械納期への影響が懸念される。牧野フライス製作所は「部品調達は今が一番厳しいが、これを乗り越えれば納期遅延リスクも解消に向かうだろう」(経営企画室)とみる。