工作機械7社、11月受注66%増 2カ月ぶり400億円超
日刊工業新聞社がまとめた11月の工作機械主要7社の受注実績は、前年同月比66・3%増の407億7000万円で、12カ月連続の増加となった。400億円を上回るのは2カ月ぶり。欧米や中国を中心に海外需要の好調が続いており、日本国内でも需要回復の動きが強まっている。
牧野フライス製作所は輸出が前年同月比2・3倍だった。「米国と中国が想定よりも好調」(経営企画室)で、米国向けは半導体製造装置に加えて、自動車や医療関連が堅調。航空機も底堅い需要が続いている。
オークマは中国が堅調なほか、欧米が幅広い業種で需要が喚起され「かなりの高水準となっている」(マーケティング室)。国内も半導体製造装置関連が好調で、自動車も一部で回復の動きが出ているという。ジェイテクトも国内が自動車関連などのスポット受注により大幅に増加した。
芝浦機械は国内、輸出ともに同2倍以上の増加。国内では、産業機械や半導体製造装置向け門型機などに加え、発光ダイオード(LED)や光学向けで超精密加工機を受注した。
ツガミは強みの中国に加え、日本や欧米、インドも含めて「各市場ともに堅調」(同社首脳)な状況。日本電産マシンツール(滋賀県栗東市)は、インドで自動車向けに歯車機械の大口受注を獲得した。
今後の受注環境について、業界では「政治的な事情など、よほどの外部要因の悪化がなければこの傾向がまだ続く」(大手メーカー担当者)と、高水準持続への見方が強い。ただ、部品の供給不安は依然として続いており、OKKでは国内市場について「納期がキーとなる商談が増えている状況」という。