工作機械主要7社の受注、1月9%増 外需伸び内需低迷
日刊工業新聞社がまとめた工作機械主要7社の1月の受注実績は、前年同月比9・0%増の245億7000万円だった。中国を中心に外需が堅調に推移し、2カ月連続の増加となった。一方で内需は全体的に低水準の状態が続き、ここに来て車載用半導体不足の影響が設備投資停滞につながる動きも出ている。
7社のうちオークマとOKK、芝浦機械、ツガミの4社が前年同月比で増加となった。
オークマは中国の回復継続に加え、米国も自動車や航空宇宙など幅広い業種で受注が増えた。米国について「バイデン政権の新たな経済政策で、今後も伸びが見込める」と期待する。ツガミは中国で「自動車をはじめとして全般的な業種で良かった」ことで、総額は5カ月連続の増加となった。今後は「中国の回復はしばらく続き、日米欧も2月以降に(受注額として)出てくる」(同)と、地域的な回復の広がりを見込む。海外で需要の回復傾向が続く一方、国内は一部業種で生産回復の動きが見られるものの、全体として顧客の設備投資に対する慎重姿勢が続いている。
牧野フライス製作所は内需が20年10―12月の14億―16億円の水準に届かず、「厳しい状況」。また、車載用半導体の供給不足の影響などにより、設備投資が決定延期・中止になったケースも出ているという。ただ2月以降は、月内に国の「ものづくり補助金」の採択が予定されており「1月の水準よりは増える」とみる。
三菱重工工作機械の内需は、歯車機械などの受注が寄与して3カ月ぶりに増加へ転じた。ただ、一部の業種では「まだ仕事量が確保できず、新たな設備投資の判断まで至っていないのでは」と現状を捉える。