工作機械7社、2月受注19%増 全社が外需増加
日刊工業新聞社がまとめた工作機械主要7社の2月の受注実績は、前年同月比19・1%増の266億5600万円だった。中国を中心に外需の回復傾向が続いたことで、3カ月連続の増加となった。ただ内需は設備投資への姿勢が慎重で、今後も回復には時間を要しそうだ。
7社のうち芝浦機械を除く6社が前年同月比で増加となった。外需のみを見ると全社が増加で、外需が全体をけん引する構図が鮮明となっている。
牧野フライス製作所は総額が2019年2月以来2年ぶりの増加に転じた。中国で電機・電子分野の金型向けの受注が寄与し、外需も23カ月ぶりの増加となった。ジェイテクトも中国で自動車向けに円筒研削盤などを受注した。中国について「自動車と建設機械が好調を継続する」(ジェイテクト担当者)とみている。オークマは中国に加えて「米国で自動車や航空宇宙関連の受注があった」(マーケティング室)ことなどから外需が増加した。
ツガミは強みの中国のほか、アジアの一部で半導体関連向けに大口受注を獲得。「世界全体で調整期から脱した」(ツガミ幹部)と捉え、中国は「3月以降も引き続き好調を維持する」(同)と期待を寄せる。三菱重工工作機械(滋賀県栗東市)は、台湾で電気自動車(EV)関連向けに歯車機械の大口受注があった。
外需が堅調な一方で、内需は6社が前年同月比減少となった。牧野フライス製作所は、2021年度の国の補助金に絡んだ引き合いは出ているものの「3月以降も大きな変化はないだろう」(業務部)と予想する。唯一、内需が増加となった三菱重工工機も「前月比では横ばいで、新規の設備投資には慎重な姿勢が見られる」(事業戦略推進室)とした。