工作機械7社、昨年度受注3年ぶり増 全社全項目でプラス
工作機械主要7社の2021年度の工作機械受注高は、前年度比76・7%増の4826億5000万円となった。新型コロナウイルスの感染拡大による景気後退からの回復が進み、3年ぶりの増加となった。3月単月も前年同月比で増加を維持。伸び率は若干の鈍化傾向にあるものの、足元の引き合いの強さなどから、受注額は今後も高い水準が続きそうだ。
21年度は全社が国内、輸出、総額の全項目で増加した。20年度から回復基調が続く中国のほか、年度を通じて欧米やアジア、日本でも自動化・省人化やデジタル化への設備投資の動きが拡大。半導体製造装置や自動車関連をはじめ幅広い業種で旺盛な需要を取り込んだ。
中国市場に強いツガミは「中国は業種全般が好調で、特に電気自動車(EV)やIT機器関連向けが多い」という。米国は主に半導体製造装置や自動車、航空機が好調で「21年度は高水準を維持した」。また国内では「自動車向け金型の回復も見られた」という。
3月単月は前年同月比37・7%増の485億8000万円で、16カ月連続の増加となった。2月まで50%以上を示してきた増加率が落ち込んではいるが、牧野フライス製作所は「しばらくは受注額で高い水準を維持する」とみる。
中国は好調を持続しており、オークマでは「高精度な機械を求める動きが一段上がったことで、台湾製や中国製機械からの買い換え需要を取り込めている」という。ジェイテクトも「中国で新エネルギー車が引き続き増加した」。
また芝浦機械は唯一の前年同月比減少となったものの、4月も引き合いが多くあり「これまでの好調な流れは変わっていない」としている。