乗用車7社の4―6月期、5社が当期赤字 世界販売4割減響く
乗用車7社の2020年4―6月期連結決算が6日出そろい、トヨタ自動車とスズキを除く5社が当期赤字となった。新型コロナウイルス感染拡大に伴う新車販売台数の急減が各社の利益を圧迫した。トヨタ以外未定としていた21年3月期連結業績予想は、5社が公表。期末に向けた需要回復と収益改善策の徹底などで、トヨタ、ホンダ、SUBARU(スバル)の3社が当期黒字の確保を見込む。(総合1参照)
20年4―6月期の7社合計の世界販売台数は、前年同期比約4割減と大幅に落ち込んだ。中国で回復傾向が見られたが、その他の市場は低迷した。こうした販売減が響き、営業損益は5社が赤字となった。黒字を確保したトヨタは営業利益段階での750億円の諸経費低減努力や「これまでの地道な体質強化策の結果」(同社)も寄与したと分析している。
21年3月期の業績予想は、インドでのコロナ感染動向が不透明なため「未定」としたスズキを除く5社が公表した。新車需要は20年4―6月期を底に期末に向け回復傾向が続くとの予想が多く、地域差はあるが販売回復を見込む。ホンダの倉石誠司副社長はコロナの第2波の影響予測は難しいが、「今のような状況が続けばそれほど大きく悪化しない」との見通しを示す。
日産自動車と三菱自動車は、構造改革関連費用の計上などで巨額の当期損失を予想。日産の内田誠社長は「固定費を20年度末までに18年度比3000億円削減する目標は計画通り」とし、事業規模の最適化を急ぐ。