工作機械7社、4―9月受注17%増 海外で旺盛な投資
日刊工業新聞社がまとめた工作機械主要7社の4―9月期の工作機械受注実績は、前年同期比17・7%増の2730億2500万円だった。コロナ禍から急回復した前年に比べて伸び率は下がったものの、中国と米国を中心に海外で旺盛な設備投資需要が継続。日本も半導体製造装置向けなどがけん引し、堅調に推移した。
5社が国内、輸出、総額の全項目で増加した。牧野フライス製作所は4―9月期の総額が18年度以来4年ぶりに過去最高を記録。輸出も中国、米国が好調を維持したことなどから2年連続で過去最高を更新した。
オークマも輸出が18年度以来となる4―9月期の過去最高を記録した。中国や米国で半導体製造装置向けが好調だったところに、電気自動車(EV)関連向け需要も伸びてきたことが寄与した。
今後の受注環境については、部品不足による機械の長納期化や中国経済の減速、インフレ高進などの設備投資への影響を懸念する声が強まっている。
中国市場に強いツガミは「中国の需要自体は悪くはないが、まだ底を打っている感じはしない」と慎重な姿勢を示す。牧野フライス製作所は「全地域的にインフレの影響が懸念され、10―12月期以降は徐々に受注水準は落ち込む可能性がある」とみる。オークマは半導体関連投資の持続やサプライチェーン(供給網)見直しの動きから「一本調子で上がることはないが、ガクッと落ちることもない」と予想する。
9月単月の7社の受注総額は前年同月比10・6%増の491億7900万円で22カ月連続の増加となった。総額で増加したのは6社。ニデックオーケーケー(旧OKK)は同2・0倍と大幅に伸長し、「中国・東南アジアで、EV関連部品の引き合いが増加している」と背景を説明する。