工作機械7社の4―9月受注32%減 停滞続く
日刊工業新聞社がまとめた工作機械主要7社の4―9月の工作機械受注実績は、前年同期比32・5%減の1827億7600万円だった。米中貿易摩擦の余波が大きく、中国は「回復の兆しがない」と停滞局面が続き、加えて米国も「ここにきて厳しくなってきた」。9月は半期決算月だが、各社の実績は夏季休業をはさんだ8月と比べ減少が目立つ。
9月は期末のために受注水準が高くなる傾向にあり、逆に8月は営業日が少なく低くなるのが通例だ。今回はOKKを除いた6社が前月比減で、市況の停滞を物語る。
牧野フライス製作所は、4―9月が2016年同期並みの水準だった。9月単月でも同年8月以来の60億円割れだ。オークマは8月に政府の設備投資補助金分が集中したことも加わり、9月は前月比減だった。OKKは前月比増を確保したものの、「国内は先行きの不透明感が増した」と警戒を強める。
自動車向けに強いジェイテクトは、9月の内需が11年の平均並みと低調。三菱重工工作機械は、設備投資の手控えの影響を受けた。
一方、日本工作機械工業会(日工会)は20年半ばまでの市況回復を見通す。半導体向けが起爆剤の一つだ。実際、その芽が出始めている感もある。
9月は牧野フライスが国内で車向けの落ち込みを半導体向けのまとまった受注で補った。「今後もスポット受注があるように思う」と期待する。オークマも半導体向けに「ポツポツと案件がある」(マーケティング室)と話す。同社は同分野がけん引役となり、20年半ばまでの市況回復を見越している。