工作機械7社、4月受注4割減 投資先送り・見直し響く
日刊工業新聞社がまとめた工作機械主要7社の4月の受注実績は、前年同月比43・2%減の182億5400万円だった。新型コロナウイルスの感染拡大により、企業の設備投資の先送りや見直しが発生。自社の営業活動制限も影響し、6社が国内外ともに減少となった。ただ経済活動再開の動きも出始めており、業界からは今後の受注回復に期待する声も挙がる。
牧野フライス製作所は米国の航空機関連や中国の自動車向けが低迷したことで、4月単月として2010年以来の40億円割れとなった。オークマは国内が政府の緊急事態宣言で商談などが止まり、4月単月では10年並みの水準だった。三菱重工工作機械は「インド向けの歯車機械でまとまった受注があった」ことで、7社のうちで唯一、海外が増加となった。ジェイテクトは海外が減少したものの、中欧などで自動車向けの受注があり、減少率を1ケタ台に抑えた。
国内外の受注環境は依然厳しいが、芝浦機械は「中国では受注実績があり、回復の兆しが見えつつある」(広報・IR部)と、中国の受注環境を説明。オークマも「中国で建機、油圧系部品が回復基調に入っている」という。
今後、日本を含めた中国以外の国でも経済活動再開の動きが進むことで、各社の受注環境の改善につながることが期待される。ある工作機械メーカー首脳は「(落ち込んだ需要が)自動車分野を中心に、いつ反発するかが今後のポイントだ」と指摘する。