工作機械7社の5月受注半減 投資先送り、停滞
日刊工業新聞社がまとめた工作機械主要7社の5月の受注実績は、前年同月比50・5%減の162億5900万円だった。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う設備投資の先送りなどが影響し、国内外ともに大幅に落ち込んだ。ただ、中国では受注の回復傾向が続き、一部の国で商談も出るなど明るい材料も出始めた。
オークマは5月単月では2010年5月以来の60億円台となった。前年同月と比べると国内、輸出ともに大幅に減少したが、前月比はどちらも5・3%減にとどまり、「新型コロナの影響や実働日数が少ない中で、なんとか踏みとどまった状態」(マーケティング室)と捉えている。
牧野フライス製作所は15カ月連続の前年割れ。輸出は欧米やインド向けの減少により全体で前年同月比6割減となったものの、中国向けは建設機械などの一般機械関連が伸びたことで増加した。
芝浦機械(旧東芝機械)は国内で前年実績のあった建機や重電向けの需要がなくなり、輸出も工作機械・精密加工機ともに需要が大きく減少した。一方、足元では「中国や韓国で商談が出始めている」(広報・IR部)という。牧野フライス製作所も中国市場について「年度後半に向けて増えるという期初の想定に変わりはない」(業務部)とする。
また日本では緊急事態宣言が解除されたことなどから「6月後半から自動車関連などで引き合いが出るのでは」(ツガミ幹部)と、今後の回復を期待する声も挙がる。オークマは「今後は中国がけん引して、日本と米国が追従する形で回復していくのでは」(マーケティング室)と見る。