工作機械7社の5月受注24%減、投資見送りで欧も停滞
日刊工業新聞社がまとめた工作機械主要7社の5月の工作機械受注実績は、前年同月比24・4%減の328億5400万円だった。前年水準が高い上、米中貿易摩擦を背景にした設備投資の見送りが欧州にも広がり減少幅が膨らんだ。5月の大型連休後に発表された米国の対中追加関税に絡み、受注がもう一段冷え込んだとの指摘がある。ただ5月は航空機向けの国内受注と引き合いが増し、米国、中国の自動車向けで大口案件がまとまるなど好材料もあった。
オークマは合計、内需、外需すべてが前年同月比30%台の減少。「いずれの市場でも苦戦した」と米中貿易摩擦の余波をかぶった。中国は半減し、ドイツも不振。中国で高シェアのツガミも同様に中国と欧州が停滞。外需が同28・8%減だった。両社は「中国市場への影響が大きかった」と対中の追加関税発表で市場がさらに落ち込んだとみている。
東芝機械は7社のうち唯一、合計が増加した。大型機の横中ぐりフライス盤が好調で、カナダの建設機械向け、中国の産業機械向けを受注した。国内外で電子、光学部品向けの精密機も伸びた。
牧野フライス製作所は前月比では全項目が増加。国内は前月に続き航空機向けが良く、機体加工向けの大型マシニングセンター(MC)を受注した。国内航空機関連は「エンジン関連の引き合いが出てきた」。同社は成長市場とされるインドが自動車向けを中心に前月比増。ジェイテクトはインド、米国、中国で自動車向けをまとめた。三菱重工工作機械は前年同月に国内で大口案件を計上した反動減があった。