工作機械7社、昨年71%プラスで3年ぶり増 今年も高水準続く
日刊工業新聞社がまとめた工作機械主要7社の2021年(暦年)の工作機械受注実績は、前年比71・7%増の4369億3700万円となり3年ぶりに増加した。コロナ禍からの経済活動再開に伴い、製造業の設備投資が拡大。中国が高水準を維持し、欧米や日本も回復の動きが広がった。22年は部品不足や米中対立などの懸念材料が残るものの、国内外で引き続き旺盛な需要が見込まれる。
全社が総額、国内、輸出の全項目で増加となった。総額ではツガミが過去最高を更新。「自動車をはじめ、幅広い業種で需要が高まった中国向けがけん引した」ほかインドも伸びた。牧野フライス製作所は「中国に続いて欧米や日本も回復してきた」ことで前年比2倍となった。
22年の市場予想は、日本工作機械工業会(日工会)が年間受注高を21年比約1100億円増の1兆6500億円に設定している。オークマは半導体製造装置のほか電気自動車(EV)を含めた自動車関連向けなどの需要増加を見込み、「22年も今くらいの水準がしばらく続く」と見通す。中国市場は景気減速などが懸念されるが、ツガミ幹部は「引き合いがまだ強く、底堅い」と分析する。
また日本電産マシンツールは「今後、補助金採択による国内の動きにも期待したい」としている。
21年12月単月の受注額は前年同月比60・5%増の436億6000万円で13カ月連続の増加となった。OKKと牧野フライス製作所は、ともに海外向けの受注拡大により総額が同2・1倍に伸びた。
牧野フライス製作所は米国で自動車のほか半導体製造装置や医療関連、中国も自動車や機械部品が好調で、両市場ともに「想定を上回る水準が続いた」。OKKは「米国で自動車や一般機械を中心に、航空宇宙も含め需要は堅調」で、輸出が大幅に増加。ジェイテクトも北米で自動車向け受注が増加し、輸出が同2・4倍となった。