工作機械7社、8月受注32%減 需要停滞続く
日刊工業新聞社がまとめた工作機械主要7社の8月の受注実績は、前年同月比32・8%減の306億5800万円だった。設備需要の世界的な停滞感が漂う基調は変わらず、各社の受注は低迷が続く。逆風の中でも、東南アジアでの大型案件や第5世代通信(5G)向けの先行投資も一部にあり、製造業の脱中国に連動した設備投資など今後の方向性を示唆する内容となった。
オークマは5G関連の半導体向け案件が「先行的に出るようになった」上に、中国で機械部品向けにまとまった受注があった。さらに設備投資支援の日本政府の補助金が下支えし、4カ月ぶりに110億円台を回復した。
ツガミは2カ月ぶりに40億円台に復帰。詳細は明らかにしていないが、東南アジアでのスマートフォン関連以外のまとまった受注がけん引した。
ジェイテクトは自動車向けが底堅く、前月からの受注のズレ込みと「中国向けが比較的好調に推移した」ため、輸出が同11・0%減にとどまった。
東芝機械は輸出が同21・6%増の伸び。中国とインドネシアでそれぞれ産業機械向けに複数台受注を積み上げた。