工作機械7社、8月受注41%減 中国は回復続く
日刊工業新聞社がまとめた8月の工作機械主要7社の受注実績は、前年同月比41・4%減の179億6600万円で、21カ月連続の減少となった。国内外ともに同4割前後の減少率となり、受注環境は依然として底ばいの状況だ。ただ足元では中国市場の回復が続いているほか「引き合いが増えており、9月以降に少しずつ数字に出てくるのでは」と回復に期待する声も挙がる。
国内は前年同月比46・8%減の75億900万円だった。牧野フライス製作所は自動車と一般機械向けが低調で同57・8%減。芝浦機械(旧東芝機械)は精密加工機、工作機械ともに需要が減少し、同62・5%減となった。OKKも「長期休暇も重なり低調な受注状況」(総務人事部)となった。一方、オークマは同31・6%減だったものの、半導体製造装置関連向け需要などで「実働日数が少なかったにもかかわらず、そこそこの数字が出た」と捉える。
輸出は同36・8%減の104億5700万円。全社で唯一増加を確保したのは、三菱重工工作機械だ。中国の産業機器メーカーからの大口受注により、同4・6倍となり、2カ月連続で前年実績を上回った。また、ツガミは中国で自動車をはじめ幅広い産業からの受注があり、減少幅は1ケタ台にとどまった。
他社でもおおむね中国市場が徐々に回復を続けており、輸出のけん引役となっている。牧野フライス製作所は欧米は依然として厳しい状況ながらも「中国はほぼ前年同月並みに戻ってきている」とした。オークマも一般機械向けを中心に堅調だった。