8月の工作機械受注、内需好調続く 中国弱含みに警戒感
1年以上続いた工作機械市場の活況に沈静化の気配が強まってきた。日本工作機械工業会(日工会)が26日に発表した8月の工作機械受注実績(確報値)は、外需が21カ月ぶりに前年割れした。内外需の合計は8月単月では最高で、前年同月比5.1%増の1403億9100万円と好調を保った。だが、外需は中国のスマートフォン向けの縮小と米中貿易摩擦を嫌った投資判断の先送りがあった。日米貿易協議が焦点となる中、マイナス影響に警戒が広がる。
8月の合計額は、営業日の少ない8月として初めて1400億円の大台を超えた。高水準だった要因の一つは内需の好調さだ。内需は同20.5%増の623億7200万円に伸び、19カ月連続の増加。業種別では規模の大きい一般機械、自動車が2ケタ成長だった。
一方、外需は同4.6%減の780億1900万円。8月としては過去3番目の高水準ではあるが、ほぼ2年ぶりに減少に転じた。外需は、中国が同37.3%減と大きく落ち込み、北米と欧州の好調さを打ち消した。
受注の伸びがなだらかになってきたが、日工会は強気だ。同会は同日、2018年の工作機械受注予想を年初公表の1兆7000億円から、過去最高の1兆8500億円に上方修正した。9―12月の月平均を約1480億円と予想する。
強気の要因は国内投資の力強さだ。上方修正した内需は、バブル期並みの77800億円に達するとみる。国の補助金に頼らなくても「自動化・効率改善の活発な投資が続く」(飯村幸生会長)。11月の展示会効果も織り込んだ。中国の減速は計画的な調整局面とみており、「大崩れしない」(同)と予測する。