車8社の世界生産、2月15%減 中国で操業停止響く
乗用車メーカー8社が発表した2月の世界生産・販売・輸出実績によると、8社合計の世界生産台数は前年同月比15・7%減の187万4791台となり、7カ月連続で減少した。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、各社が中国の完成車工場の操業を相次いで停止したことで大幅に落ち込んだ。また、一部メーカーでは中国製部品の供給遅れで中国以外の生産にも影響が及んだ。中国生産が壊滅的な状況に陥ったことが世界生産に大きな影を落としている。
海外生産は同18・6%減の114万1214台となった。中国生産はトヨタ自動車が同77・4%減、日産自動車は同87・9%減、ホンダは同92・4%減、マツダは同90・6%減と大幅に減少した。その他の地域では日産が米国でスポーツ多目的車(SUV)「ローグ」が減少した。マツダもタイで小型車「マツダ2」、小型SUV「CX―3」を減らした。ダイハツ工業は一部改良したマレーシアでの小型セダン「ベザ」が増加した。
国内生産は同10・8%減の73万3577台。日産は新型コロナの影響でサプライチェーン(部品供給網)の混乱や需要低迷を理由に生産調整し約3割減。トヨタも2ケタ減となったが消費増税の影響が主因で、「新型コロナの生産面への影響は中国以外では出ていない」(広報)としている。ホンダも消費増税の影響で減少した。SUBARU(スバル)は、北米向けSUV「フォレスター」の販売好調で増やしたほか、外製部品の不具合で部分供給に制約があったことの反動増となった。
3月に入っても各社は中国工場の操業を再開したものの急激な生産挽回は難しい状況。さらに感染が欧米やアジアなど主要生産地域に広がっており、今後世界生産の大幅な減少は避けられない見通し。