乗用車8社の2月世界生産、2カ月ぶり増 コロナ禍の反動増
乗用車メーカー8社が発表した2月の世界生産・販売・輸出実績によると、8社合計の世界生産台数は前年同月比3・4%増の193万9305台となり、2カ月ぶりに増加した。1年前は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、各社が中国の完成車工場の操業を相次いで停止したことから反動増が理由。新型コロナ影響前の2019年2月と比べると約13%減で、半導体不足や北米での寒波の影響による減産など不安定要因も多い。
海外生産は前年同月比11・5%増の127万2554台だった。中国ではトヨタ自動車が同5・8倍の8万9488台を記録するなど、新型コロナ影響からの反動増で各社ともプラスに転じた。一方、米国では各社ともに前年同月を下回った。トヨタは寒波の影響で一部の工場が稼働を停止し、同13・9%減の8万3676台だった。ホンダは同22・1%減の7万7345台。新型コロナ、半導体不足、寒波など複合的な要因が重なった。日産自動車も同28・7%減の3万8110台だった。
スズキは主力のインドで同19・3%増の16万8111台と、2月単月として過去最高だった。コロナ禍での自動車需要の増加などが生産を押し上げた。
国内生産は同9・1%減の66万6751台。輸出向けのスポーツ多目的車(SUV)「ローグ」が生産をけん引した日産以外は前年同月を下回った。トヨタは2月に起きた福島沖地震の影響で一部工場が稼働停止した影響で、同7・5%減の24万4048台だった。ホンダも半導体不足による鈴鹿製作所での減産が響き、同33・6%減の4万7158台だった。