乗用車8社の世界生産、4月大幅減 コロナ禍で壊滅状態
乗用車メーカー8社が発表した4月の生産・販売・輸出実績によると、8社合計の世界生産台数は前年同月比60・9%減の91万6255台だった。前月と比べても減少幅が拡大し、9カ月連続の減少。新型コロナウイルスの感染拡大で世界の生産活動が停滞している。中国を除く米国や欧州、アジアなど主要地域の一部で生産台数がゼロになり、壊滅的な状態に陥った。
海外生産は同67・9%減の50万3668台と大幅な減少。各国でロックダウン(都市封鎖)やサプライチェーン(部品供給網)の混乱などが影響し、生産ができない状況が続いた。
米国はトヨタ自動車をはじめ、日産自動車、ホンダ、SUBARU(スバル)が操業を停止し生産ができなかった。欧州もホンダや日産(ロシアを除く)の生産がゼロだった。アジアはスズキが主力のインドで生産できず海外生産そのものが同97・1%減の5598台となった。
一方、中国は生産活動の再開の動きが出ている。ホンダは同21・1%増の15万2447台で、単月で過去最高を記録。トヨタは同27・8%増の14万3135台、マツダも米中貿易摩擦による反動増もあり、同40・0%増の2万3595台と稼働水準が徐々に高まりつつある。
国内生産は同46・7%減の41万2587台と大幅に落ち込んだ。新車需要の減退とサプライチェーンの混乱で各社が生産調整した。日産は同61・8%減の2万1669台、マツダは同86・5%減の1万1706台。スバルは国内唯一の完成車工場が止まった影響で同72・5%減の1万4912台だった。