乗用車8社の世界生産、5月61%減 10カ月連続マイナス
乗用車メーカー8社が発表した5月の生産・販売・輸出実績によると、8社合計の世界生産台数は前年同月比61・8%減の91万6758台と落ち込んだ。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で前月並みの減少幅で、10カ月連続の減少だった。海外生産はロックダウン(都市封鎖)解除など生産活動を再開した一方、国内生産は各社が非稼働日を設けるなど生産調整が相次いだ。
海外生産は同61・7%減の62万9256台と大幅な減少。米国は、前月の生産がゼロだったトヨタ自動車やSUBARU(スバル)などが生産を再開したが、生産調整などを行い本格的な回復には至っていない。アジアではスズキが主力のインドで生産活動を再開したが、同92・7%減と本稼働には程遠い状況だった。
一方、中国での生産活動は本格化している。トヨタ自動車は同13・5%増の13万7071台、日産自動車はセダン「シルフィ」の生産増が寄与し、同2・1%増の13万3587台となった。
国内生産台数は同61・8%減の28万7502台だった。前月(同46・7%)と比べて、8社中6社の減少幅が広がった。トヨタ自動車は全工場で非稼働日を設け、生産調整をした影響などで同57・0%減の12万2744台と大幅に減少。日産自動車は同78・7%減の1万2978台だった。
スバルは国内唯一の完成車工場が5月のすべての稼働日で生産調整を行ったため、同77・8%減の1万1115台となった。