工作機械、8月受注883億円
日本工作機械工業会(日工会)が発表した工作機械の8月の受注高(速報値)は、前年同月比37・1%減の883億4700万円で、2013年4月以来76カ月(6年4カ月)ぶりの800億円台となる低水準だった。
月1000億円とされる好不調判断の目安を大幅に割り込んだ。米中貿易摩擦を主要因に世界経済の先行きに不確実さが増し、設備投資を控える動きが進んでいる。
前年割れは11カ月連続。内外需ともに低調で、中でも外需は同34・6%減の509億9900万円と不振だ。500億円台は34カ月ぶりとなる。米中摩擦の影響は中国だけでなく欧州にも広がり、中国向けの輸出が盛んなドイツが8月に急減したとの指摘がある。
内需は同40・1%減の373億4800万円で9カ月連続で減少した。設備投資を支援する政府の補助金制度が導入されたが、内需は低位横ばいで推移した。
76カ月ぶりの低水準は夏季休暇、9月に控える工作機械の大型見本市に向けた買い控えも背景とみられる。一方で日工会は「米中摩擦の影響が相当広がっている」(事務局)と警戒を強める。
13年当時は中国市場の減速や欧州の債務危機などから設備投資が滞り、同年8月まで11カ月にわたり1000億円割れが続いた。