機械工具商社上場9社 2019年4―6月期決算 米中摩擦など影響で5社減収
機械工具商社上場9社の2019年4‐6月期決算(トラスコ中山は1‐6月期、NaITOは3‐5月期)が出そろった。
米中貿易摩擦の激化や半導体市場の悪化などが影響し、5社が減収となった。足元では世界的な景気減速が広がっており、通期業績予想を下方修正する企業もあるなど、先行きへの不安感は高まっている。一方で、下期は工作機械見本市などの大型展示会が予定されており、投資需要の喚起を期待する声も多い。機械工具商社には着実に足元の需要を拾い上げるとともに、将来の商談につながる“種まき”も求められている。
・自動化ニーズに活路 展示会で次の種まき
4‐6月期は製造業で設備投資を先送りする動きが見られた。昨年から続く米中貿易摩擦による先行き懸念の強まりや、半導体、スマートフォン関連産業の低迷などが影響した。日本工作機械工業会の工作機械受注額は、昨年10月から今年6月まで9カ月連続で前年同月比減となっており、6月の受注総額は好不調の目安とされる1000億円を32カ月ぶりに下回った。こうした市況の悪化は、機械工具商の業績低下にもつながっている。
山善の生産財部門は、前年同期比15・7%減の771億円となった。機械事業部は同28・4%減の304億円、特に中国を中心とした海外向けの減少幅が大きく、49・6%減の107億円だった。要素部品の取り扱いが多い日伝では、工作機械向けや半導体製造装置向けなどの受注が減少し、同12・7%減の276億円となった。
設備関連だけでなく、切削工具などの消耗品にも影響は広がっている。NaITOでは、大型連休による稼働日数の減少なども影響し、切削工具の売上高が同2・0%減の59億円。Cominixの切削工具事業も同5・2%減の37億円だった。ユアサ商事の産業機器部門も同7・2%減の154億円となった。
・足元でも停滞感は続いている。
ある商社は「足元も決して上向いているとはいえない。むしろ減速感は拡大しており、先行きへの不安感は増している」と話す。こうした状況からトラスコ中山では通期業績予想を当初の2332億円から3・2%減の2258億円に下方修正した。「見込みを下回るペースで推移しており、下期(7‐12月)についても売上高の大幅な拡大が見込めないため」としている。
一方で、秋以降には、工作機械見本市「メカトロテックジャパン」や「国際ロボット展」などの大型展示会の開催が予定されており、投資需要の喚起を期待する声は少なくない。特に省人化や自動化ニーズは高く、各社こうした受注の拡大を狙い、提案活動を進めている。
「メカトロテックジャパン」に出展予定のNaITOでは「オリジナル商品などを積極的にPRし、足元はもちろん、来年やその先の商談につながるような“種”を蒔いていきたい」とする。機械工具商社にとっては、先々の需要の掘り起こしに向けた活動が求められそうだ。
ニュースソース:日本産機新聞(https://nihonsanki-shimbun.com/)