シチズンマシナリー、フィリピンで自動旋盤増産 2倍の年960台に
シチズンマシナリーは、2019年1月にフィリピンで工作機械の生産能力を倍増する。自動車や建設機械向けなどの足元の需要増加に対応するほか、中長期の市場拡大を見据え先行的に投資する。同社は工作機械市場の活況を受け、18年度の売上高計画を1年早く達成する見通しで、タイ、ベトナムでも設備を増強中。製販体制を強化する動きは他社にも広がりそう。
フィリピン北部のバタンガスにある工場を、現状比2割強増の1万9000平方メートルに増床し、組み立てスペースを拡張する。年産能力を960台に倍増する。短尺で径の太い棒材加工に向く「ミヤノ」ブランドの自動旋盤を増産する。投資額は約5億円。
同社は国内外の販売が好調で、17年度の売上高、営業利益が過去最高の見通し。18年度までの現中期経営計画を1年前倒すことになる。「ミヤノ」ブランド機は自動車、建機、医療機器向けにとどまらず、新興国で電子機器や住設関連でも受注が増えており、中長期で需要が拡大するとみる。タイ、ベトナムの工場拡張も進め、今夏稼働させる。
日本工作機械工業会(日工会)は、18年の受注高が2年連続で過去最高を更新して1兆7000億円に達すると予想している。
シチズンマシナリーはシチズン時計の工作機械事業会社。フィリピンでは低中価格帯の主軸固定型自動旋盤を生産している。