不二越、北米で超硬ドリル増産 航空機需要に照準
不二越は主力製品の一つである切削工具の生産能力を増強した。米国子会社のナチツールアメリカに、約20億円を投じて新たな生産設備を導入した。高精度・長寿命を特徴する超硬ドリルの生産能力を従来比約4倍に高めた。航空機関連分野をはじめ、現地での旺盛な超硬ドリル需要を取り込む。
研削盤やコーティング炉などの設備を導入し、2023年12月に稼働を開始した。
米国では航空機や住宅・インフラ、電機・電子の需要増加に伴い、航空機や建設機械、半導体製造装置などの部品加工に使われる超硬ドリルの需要拡大が見込まれる。
そのため「アクアREVOドリル」など売れ筋の超硬ドリル商品の現地での生産能力を増やし、速やかに供給できる体制を構築。短納期化により、シェア拡大を狙う。
不二越は24年11月期連結業績予想で、工具事業の売上高として前期比1・3%増の345億円を計画する。切削加工時に発生するバリを極小化し、バリ取りの二次加工が不要な「バリレスシリーズ」をはじめとする切削工具の拡販により、計画達成につなげる方針だ。