長谷川機械が同時5軸精密MC開発 多品種変量向け、可動域拡大
長谷川機械製作所は、同時5軸精密マシニングセンター(MC)を開発した。医療・光学機器・腕時計といった小物精密部品の加工中心に使われている従来の5軸MCに対し、X軸(左右)を320ミリメートルとするなど各軸の移動量を拡大した。大きめの部品の多品種変量生産に向く機種として提案する。
新開発の「PM320―5X」は、主軸とスライドのオーバーハングを最小限に抑える独自の高剛性構造を採用。自社製の回転主軸が上下(Z軸)・前後(Y軸)に、部品を載せるテーブルが左右(X軸)に動くほか水平旋回(C軸)、傾斜(B軸)することで同時5軸加工を行う。
制御精度は0・1マイクロメートル(マイクロは100万分の1)。左右に凹凸のない幅1200ミリメートルのコンパクト設計で小面積での工程集約が可能。ロボットを配置することで、左右対称構造の両面窓を通して部品の段取り替えを自動化できる。
加工エリアを大きく取ることにより、加工状況の視認性が向上。下部の壁面が傾斜しているため、切り粉が途中に堆積することなく排出されやすい。
主軸は「HSK―E40」で毎分2万5000回転、オプションで同4万5000回転。早送り速度は同30メートル。自動工具交換装置(ATC)は50本で、オプションで60本に増やせる。機械背面から工具を入れ替えできる。
11月の「日本国際工作機械見本市(JIMTOF)2024」で受注を開始する。予定価格は2800万円(消費税抜き)。