乗用車7社の4-9月期、4社が営業減益
乗用車メーカー7社の2024年4―9月期連結決算はホンダ、スズキ、SUBARU(スバル)を除く4社が営業減益となった。
7社合計の営業利益は前年同期比6・1%減の3兆9904億円となり、2年ぶりの前年割れとなった。為替のプラス効果があったものの米国や中国、アジア市場での競争激化で販売奨励金の増加などがマイナス影響となった。25年3月期連結業績予想の下方修正も相次いだ。
4―9月期は市場競争環境の激化が顕著だった。日産自動車は主力の米国市場でハイブリッド車(HV)需要を取り込めていないことに加え、在庫削減や競争環境に対応するため販売奨励金の増加が収益を圧迫。営業利益が前年同期比90・2%減と落ち込んだ。マツダも販売奨励金の増加が響き同20・5%減となったほか、三菱自動車は米国やタイなどで販売費を積み増したことがマイナス要因となり、同12・9%減だった。
一方でホンダは販売奨励金の増加などの影響があったものの、商品価値向上に見合う値付けの効果などにより営業増益となった。スズキは収益改善努力に加え、国内4輪事業の価格改定やモデルミックス改善が貢献し、営業利益が同40・7%増と伸長。スバルは米国で小売り販売が堅調な中、販売奨励金の増加を抑制できたことなどが寄与し同19・5%増となった。トヨタ自動車は認証問題の対応で一部車種の生産を停止した影響や一時費用がある中でも、原価改善や営業面の努力で前年並みの利益水準を確保した。
世界販売台数では日本やパキスタン、欧州などで4輪車販売が伸びたスズキ、北米販売が過去最高となったマツダ、東南アジアや北米、日本などが増加した三菱自を除き、4社が前年割れとなった。
25年3月期連結業績予想は日産とマツダが売上高、営業利益を下方修正する一方で、ホンダは売上高を、スズキは営業利益を上方修正した。販売台数目標は三菱自を除き6社が従来予想を引き下げた。