乗用車8社、4月の世界生産0.7%増 国内回復で海外補う
乗用車メーカー8社がした4月の生産・販売・輸出実績によると、8社合計の世界生産台数は前年同月比0・7%増の193万6972台となり、3カ月連続で前年同月実績を上回った。前年の同時期に認証問題があった日本国内の生産が回復。海外生産のマイナスを補った。海外は中国の価格競争激化やタイなどのローン審査厳格化の影響が継続。トランプ米政権による輸入車への追加関税もあり、各社にとって予断を許さない状況が続く。
世界生産はトヨタ自動車、三菱自動車、ダイハツ工業、SUBARU(スバル)が前年実績を上回った。前年同期に認証不正の影響で出荷を停止していたダイハツの反動増などで全体の数字が押し上がった格好だ。
トヨタは北米、中国、日本などの好調により、世界生産が前年同月比7・8%増加。スバルはストロングハイブリッドシステムを搭載した新型スポーツ多目的車(SUV)「フォレスター」立ち上げに伴う生産台数増加がけん引し、国内生産が同21・2%増えた。
一方、日産自動車は世界生産が同15・4%減となり、11カ月連続で減少した。米国でSUV「ローグ」、英国で小型SUV「ジューク」の減少が響いた。ホンダはアジアでの価格競争激化や、中国の新エネルギー車(NEV)市場拡大などによる販売減で9カ月連続で世界生産が減少した。マツダは国内のSUV「CX―90」の減少などで3カ月連続で減少した。
スズキの世界生産は日本の生産減が響き3カ月連続で減少。ただ、インド生産は好調で4月として過去最高となった。