乗用車8社の世界生産、10月1.3%減 2カ月ぶりマイナス
乗用車メーカー8社が発表した10月の生産・販売・輸出実績によると、8社合計の世界生産台数は前年同月比1・3%減の222万7509台となり2カ月ぶりの前年割れとなった。米国や中国など主要市場での競争激化に加え、蘭半導体メーカーのネクスペリアの供給問題が影響した。今後も厳しい情勢が続きそうだ。
世界生産はトヨタ自動車、スズキ、ダイハツ工業を除く5社が前年割れとなった。トヨタは5カ月連続、スズキとダイハツは2カ月連続で増加した。
トヨタは北米などが好調を維持。24年にスポーツ多目的車(SUV)「グランドハイランダー」や高級車ブランド「レクサス」のSUV「TX」のリコール(無料の回収・修理)による生産停止からの回復に加え、ハイブリッド車(HV)が伸長。世界生産は前年同月比3・8%増の92万6987台となり単月で過去最高となった。
スズキはインドで新型SUV「ビクトリス」の生産開始やインドネシアでSUV「フロンクス」の生産開始により海外生産が増加。世界生産は10月として過去最高となった。ダイハツは6月に発売した新型の軽乗用車「ムーヴ」が好調で国内販売が10月として過去最高を更新した。
一方、ホンダとマツダは2カ月ぶり、日産自動車は3カ月ぶり、三菱自動車とSUBARU(スバル)は4カ月連続で世界生産がマイナスとなった。
ホンダは半導体不足の影響で10月下旬から米国・カナダで減産しメキシコで生産を停止。海外生産は同12・6%減となった。日産は海外生産は増加したものの、国内生産がSUV「エクストレイル/ローグ」の台数減により20カ月連続でマイナスとなった。
三菱自は一部地域の仕向けを終了した車種が影響した。マツダは米国・タイの生産が増加したものの、メキシコや中国の生産が減り前年割れ。メキシコでは関税影響を考慮して米国向けのSUV「CX―30」、小型車「MAZDA3」の生産を抑制した。スバルは群馬製作所矢島工場(群馬県太田市)の工事で一部生産ラインを停止し、海外でもサプライヤーの設備トラブルなどによる一時的な部品の納入遅れなどにより世界生産は2割強のマイナスとなった。
