乗用車8社の世界生産、4月1.3%増 3カ月ぶりプラス
乗用車メーカー8社が発表した4月の生産・販売・輸出実績によると、8社合計の世界生産台数は前年同月比1・3%増の192万5501台となり3カ月ぶりに前年同月を上回った。工場停止の影響などで国内生産は減少したものの、半導体など部品不足が改善したことで海外生産は総じて好調で、全体を押し上げた。
各社の世界生産は日産自動車とホンダ、三菱自動車が3カ月ぶりに増加。日産は国内が前年割れだが、部品の供給制約が解消された北米など各地域で前年実績を上回った。ホンダも半導体不足やコロナ禍などの要因が複合的に影響した前年に対して増加。国内でコンパクトスポーツ多目的車(SUV)「VEZEL(ヴェゼル)」の販売が好調だった。三菱自は軽スーパーハイトワゴン「デリカミニ」などの国内生産が増加した。
スズキの世界生産は4カ月連続で増加。国内で軽自動車「スペーシア」、小型車「スイフト」の新型車効果があり、海外では現地工場の新ライン稼働で4月単月で過去最高となったインドがけん引した。
一方、トヨタ自動車の世界生産は3カ月連続で前年割れ。北米はSUV「RAV4」など主力モデルが好調だが、中国で価格競争が激化。日本も「プリウス」などの生産停止が響いた。
マツダはSUV「CX―50」を米国で2直化するなど海外生産は伸長したが、前年同月が国内生産が多かった反動が出た。ダイハツ工業はマレーシアで需要が伸び海外生産が6カ月ぶりにプラスとなるも、日本国内中心に認証不正の影響が継続し世界生産は8カ月連続で前年割れ。SUBARU(スバル)はSUV「クロストレック」など海外生産が伸長したが、国内で北米向けのSUV「フォレスター」の生産を順次開始するため計画的に生産を落とした影響で前年割れとなった。