乗用車8社の世界生産、5月3.5%減 稼働日減など影響
乗用車メーカー8社の5月の生産・販売・輸出実績によると、8社合計の世界生産台数は前年同月比3・5%減の197万1394台となり、4カ月ぶりに前年同月実績を下回った。前年の同時期に認証問題があった日本国内の生産で反動増が一部でみられたが、稼働日減少の一時的な要因のほか生産終了車両分の台数減などが影響した。トランプ米政権による輸入車への追加関税発動から約3カ月が経つが、さらなる追加関税の可能性が示唆されるなど不透明な状況が続く。
世界生産はトヨタ自動車、日産自動車、ホンダ、マツダ、スズキの5社が前年実績を下回った。トヨタは中国や北米で伸びたものの、日本や欧州の稼働日減で、世界生産は同0・7%減と前年並みだった。
日産の世界生産は同16・5%減と5社の中で下げ幅が最も大きく、12カ月連続でマイナスとなった。電気自動車(EV)「リーフ」に関して、日本では新旧の入れ替え、米国では生産終了に伴い台数が減少。英国の小型スポーツ多目的車(SUV)「ジューク」の減少なども影響した。
ホンダはアジアでの価格競争激化や、中国の新エネルギー車(NEV)市場拡大などによる販売減で世界生産が10カ月連続で減少した。マツダは日本でのSUV「CX―90」の減少などで4カ月連続のマイナスとなった。
スズキの世界生産は4カ月連続で減少。日本の減少要因としては小型車「スイフト」の生産減や、欧州向け小型4輪駆動車「ジムニー」の生産終了などが影響した。海外生産はハンガリーなどの生産が減り前年同月実績をわずかに下回ったが、インドは好調を維持し5月として過去最高となった。
一方、ダイハツ工業は認証問題による影響の反動増で国内生産が同64・6%増と伸長した。SUBARU(スバル)と三菱自動車は国内外ともに生産がプラス。三菱自はインドネシアで2月に2026年式の小型SUV「エクスフォース」の生産を開始し順調に台数が伸びている。また生産減が続いていたタイもピックアップトラック「トライトン」の貢献で前年同月比の減少率が縮小し、海外生産全体では7カ月ぶりに増加した。