乗用車8社の世界生産、7月0.5%減 中国競争激化など響く
乗用車メーカー8社が発表した7月の生産・販売・輸出実績によると、8社合計の世界生産台数は前年同月比0・5%減の204万8222台となり3カ月連続で前年同月を下回った。北米などの販売好調を受け微減にとどまったものの、中国の新エネルギー車(NEV)市場拡大による価格競争激化や、タイ、インドネシアといった主要地域の減少が影響した。日本国内で残る認証不正による影響や、中国市場の動向など今後も見通しが晴れない状況が続く。
各社の世界生産はホンダ、マツダ、ダイハツ工業を除く5社が前年同月を割り込んだ。トヨタ自動車と三菱自動車は6カ月連続、日産自動車とスズキは2カ月連続でマイナスとなった。SUBARU(スバル)は2カ月ぶりの減少となった。
トヨタの世界生産は前年同月比0・6%減と前年並みを維持。中国の価格競争激化やタイの自動車ローンの厳格化により減少した。一方、前年同月に比べて稼働日が多かったことなどにより北米や欧州で増えた。
日産は国内生産、海外生産ともに減少。国内はスポーツ多目的車(SUV)「エクストレイル」、中国はセダン「シルフィ」などの台数減が響いた。スズキはハンガリーやインドネシアなどが減少した。
一方、ダイハツの世界生産は同10・1%増となり、11カ月ぶりにプラスに転じた。日本国内では認証不正問題の該当車種の生産・出荷再開が寄与し、2カ月連続で前年同月実績を上回った。インドネシアの減少が響き、海外生産は微減だった。
ホンダの世界生産は3カ月ぶりの増加。乗用車「CIVIC(シビック)」、SUV「CR―V」などの米国販売の増加を受け、北米の生産が同18・0%増えた。ただ、中国などの価格競争激化が響き、アジア地域全体の生産は同5・4%減少した。
マツダの世界生産は3カ月連続で前年同月比プラス。米国で販売が伸びているSUV「CX―50」について、前年同月時点では米アラバマ工場の2直化が立ち上がったばかりだったが、24年はフルに寄与。国内では小型車「マツダ3」などが増えた。