乗用車8社の世界生産、7月1.7%減 2カ月ぶりマイナス
乗用車メーカー8社が発表した7月の生産・販売・輸出実績によると、8社合計の世界生産台数は前年同月比1・7%減の201万5932台となり、2カ月ぶりに前年同月実績を下回った。国内生産はトヨタ自動車などがカムチャツカ半島沖地震の影響で工場の稼働を一時停止したのに加え、軽自動車市場の縮小もみられ、同7・8%減となった。今後は米関税政策による世界経済停滞も懸念され、先行きの見通しづらい状況が続く。
世界生産はトヨタ自動車を除く7社が前年実績を下回った。トヨタは海外生産が同12・0%増と堅調で、世界生産とともに7月単月で過去最高に達した。北米でリコール(無料の回収・修理)からの反動増があったのに加え、中国も伸びた。
日産自動車の世界生産は同4・2%減。中国で電気自動車(EV)セダン「N7」が好調な一方、米国はセダン「アルティマ」の台数減で生産を同30・0%減と大きく減らした。国内生産は17カ月連続で前年同月を下回った。
ホンダの世界生産は同7・0%減で12カ月連続のマイナス。中国で新エネルギー車(NEV)市場の拡大や価格競争激化の影響を受けるなどして、海外生産が落ち込んだ。
スズキは国内生産が軽自動車の販売市場の縮小で同5・7%減。海外生産は主力のインドが7月として過去最高を更新した。インドネシアでのスポーツ多目的車(SUV)「フロンクス」生産開始も寄与した。
ダイハツ工業も軽自動車の減少により国内生産が同11・9%減と7カ月ぶりのマイナス。海外生産はインドネシアが軟調だった。
SUBARU(スバル)は国内で2024年春の減産に対する挽回生産からの反動減もあり、世界生産が同4・9%減。三菱自動車はタイで欧州、米国、豪州向け一部車種の生産を停止した影響で世界生産が同9・3%減だった。マツダは国内と海外でSUV「CX―30」の生産を大きく減らし、世界生産は同22・6%減となった。